安い値段で売ってませんか?

今日は、先日ご訪問した支援先での出来事から、価格について考えてみたいと思います。

新規顧客をとるためにまずは安い値段??

今回ご訪問した支援先では、ここ数年新規顧客開拓に積極的に注力し、その結果、売上が前年比の130%とかなり成果が出ておられました。

一方、売上総利益率が前年比4%ダウンしており、結果、売上総利益額は前年に比べて、少しの増加になりました。

お分かりの方も多いと思いますが、

  • 「売上総利益」=「売上高」-「売上原価(仕入)」
  • 「売上総利益率」=(「売上総利益」÷「売上高」)×100%

でそれぞれ計算しますので、売上が増加してもその分以上に売上原価が増加すると、売上総利益率は下がります。

 

支援先との会話の中で、粗利率が下がった原因を聞いてみると、「新規顧客を獲得する際に、獲得しやすくするためにまずは通常より値段を下げて販売してるんですよ~」とい答えが返ってきました。

さらに「新規が獲得できたら、徐々に関係性を作って、値段を元に戻したいと思っています」ともお話しされていました。

価格を一度下げると、元に戻すのは至難の業!

皆さんも同じようなことをされた経験はおありじゃないでしょうか。

ただ、一度下げた価格はほぼ元に戻らないと思います。

特に新規顧客の場合、その安い価格で買った瞬間に、その価格が顧客の中での標準価格になってしまうので、値段を元に戻すと値上げに感じてしまい、買う人はぐっと少なくなると思います。

皆さんもスーパーなどで、牛乳などが特売されていると思わず買ってしまうと思いますが、一度買ってしまうと、特売の値段が当たり前になってしまい、特売を待ってしか買わなくなる、みたいなことがあると思いますが、全く同じ現象です。

もちろん、原材料の高騰などやむを得ない場合の価格値上げは顧客も受け入れてくれると思いますが、「今日ここだけの値段ですよ!」というのは止めたほうがいいということです。

 

あくまでも自分たちの商品、サービスに対し、設定している価格で勝負!これが鉄則だと思います。

どうしても金額的なメリットを顧客に与えたい!

そんな場合は、商品の値引きではなく、何かをサービスすることをお勧めします。

飲食店であれば、200円値引きではなく、ドリンク1杯サービス、旅館であれば、宿泊料金値引きよりもアメニティー持ち帰り、小売店ならば、1,000円以上お買い上げで何かをプレゼント、などです。

値引きをしてしまうと、商品の価値を下げて販売するイメージがつきますが、無料サービスであれば、そのようなイメージもつきませんし、経営数字面で考えてもお得です。

 

いかがでしたでしょうか。

今日は先日の支援先の訪問の際に出た会話から、価格について記載しました。

ぜひ、参考にして頂ければと思います。